140文字まとめ その2


  10こ書いたうちの7つ。3つは身内ネタなので割愛!


昨日のこれPC使えなくて長文無理そうだから140字挑戦: ・・・時間以内に・・・RTされたら、ゾロサンがキッチンで手を繋ぐ、シリアスな作品をかいてみましょう!
http://shindanmaker.com/44825 ねくすと→


すべてをわかった上で、サンジはゾロを自分の聖域に招いた。
ゾロは出されたにぎり飯とみそ汁を残らずかっこんで、行儀良く手を合わせる。
慌ただしさにため息、けれど普段と変わらぬ行儀の良さにサンジは笑った。
「なァ、一回だけ構わねェだろ」
闘いに向かう男の手の平は固く、サンジの手に熱を残した。


本当誰得。私得なだけなのに自家発電つら‥: ・・・分以内に・・・RTされたら、ルシュラが洞窟で手を繋ぐ、誰得な作品をかいてみましょう!http://shindanmaker.com/44825 ねくすと→


「いい加減手ェ離せよ」
言ったところで聞くタマじゃねェってのはわかってる。
「断るっ」
ほらみろと、顔を歪めて目端の麦わら帽子にため息。
「お前迷子のくせに」
「お前もだろ?」
声のこだまが耳に返る。
二人してもう何時間同じような道歩いてんだ、シュライヤは肩を落とし、船で待つ妹のことを考えた。


ギャグってなに下ネタ的なものしか浮かばなry: ・・・日以内に・・・RTされたら、エーシュラがお風呂で膝抱っこする/される、ギャグちっくな作品をかいてみましょう!http://shindanmaker.com/44825 ねくすと→


出る、そう立ち上がったシュライヤを湯槽に引き戻す。
ザバッと溢れるお湯が浴室を湯気で満たした。
「のぼせる、やべェ」
「おれもだから一緒だろ」
「余計やべェだろ」
立ち上がろうとする腰を両手で抱いて、エースはそれを阻止する。
怪訝な顔のシュライヤに下肢部の説明をしたら、本気のグーで殴られた。


こないだのお題の続き。思い出したから書こうの巻: 命が尽きるまでに・・・RTされたら、サンシュラが遊園地でいつもと違う相手にドキドキしちゃう、甘々な作品をかいてみましょう!http://shindanmaker.com/44825 ねくすと→


腰を抱かれた、というかしがみつかれた。
サンジは眉を顰めて言う。
「てめェがそんなに怖がりたァな」
「怖いんじゃねェ、苦手なんだ」
薄暗いお化け屋敷。
背の高い方、シュライヤは涙目で虚勢を張り、サンジはため息混じりの苦笑い。
まったくどうして、可愛いとこあんじゃねーかと、思ったのは内緒の話。


抱き合うというか: ・・・時間以内に・・・RTされたら、シュラサンが保健室で抱き合う、至って健全な作品をかいてみましょう!http://shindanmaker.com/44825 ねくすと→


細ェなァと言われ、てめェに言われたくねーよと会話が成立し今に至る。
「華奢だな」
「細マッチョだろ」
「そりゃおれだ。サンジは華奢」
確かめるように腕に力を入れた。
機嫌を損ねたサンジはシュライヤの腕を抜ける。
先週の健康診断で使った腹部用メジャーを手に取り、なら勝負だと口を尖らせて言った。


ゾサ前提にしようと思ったのに、全く関係なく今の自分の気持ちが反映された。ゾシュでもねぇし: ・・・時間以内に・・・RTされたら、ゾシュラがバイト先でセクハラ紛いな行為に出る、切ない系な作品をかいてみましょう!http://shindanmaker.com/44825 ねくすと→


「どっちつかずだな、てめェは」
壁に押し付けられて耳元で囁かれる。
手元を離れた栓抜きが床に落ちる音。
「選べ。兄貴か‥弟か」
「なんでてめェに」
「おれァあいつらのダチだからな」
それにおまえのダチだと、届く声はひどく切なく、
苦しいなら両方やめちまえと続いた言葉に、シュライヤは顔を上げた。


トラファルガー先輩はシュライヤと仲良しだといい: ・・・時間以内に・・・RTされたら、ローシュラが部室で一緒に寝る、甘々な作品をかいてみましょう!
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「おい、バスクード屋」
部員でもねェのになんでこんな所にいるんだと、喉まで出た言葉を引っ込めた。
自分もサッカー部の部員ではないし、なにより言っても状況の変化はないだろう。
目の前の男は陽だまりの中寝こけている。
猫みてェだなと思いながら隣に腰を下ろせば、彼自身も柔らかい眠気に襲われた。



ゾ(+)シュラとエーシュラ当たりはちゃんと書いてみたいなぁ。

140文字まとめ その1


  いくつか書いたのをまとめていくの巻


タイムラグだけど140字ゾサにちょびっと挑戦!(次post) RT @kano_32suki 改めて、ゆっこちゃん文章で見たいなw(b'3`*) @snowteaさんにオススメのキス題。シチュ:草むら、表情:「目を見開く」、ポイント:「手を繋ぐ」、「お互いに同意の上でのキス」です。


もう帰らなくちゃジジィにしかられる。
「ぷはっ」
水の中から出るように大きく息を吸ったサンジは、目を丸くしてゾロを見る。
「おまえがいいって言ったんだぞ」
拗ねたようなその表情に、慌てて頷いた。
繋いだままの両手を強く握り、もう一度きゅっと目を閉じる。
さわさわと揺れる風は、草の匂いがした。


きょうはこれ(・∇・) @snowteaさんにオススメのキス題。シチュ:いつもの場所、表情:「幸せそうな表情」、ポイント:「抱き締める」、「自分からしようと思ったら奪われた」です。http://shindanmaker.com/19329


小さい生き物が背中にへばりついた。
肩越しに振り向くとにこにこ笑う。
「おっきいふねきたよ」
ふにふにのほっぺはマシュマロみたいだ。
食べてやろうかと思ったら「ちゅっ」逆に食われた。
「おにいちゃんのほっぺ、おいしい!」
笑いながらぴょんぴょんとドッグを出ていく妹を見て、シュライヤも笑った。


@snowteaには『クリケット×チョッパー』をお勧めします。シチュエーションは『海水浴』です。http://shindanmaker.com/21587 140文字してみるねくすと!


「ほんとにいいのか?」
「どってことねェ。これァ潜水じゃねーからな」
海に沈むクリケットの肩には蹄で頭を掴むチョッパーの姿。
「おおおおお」
海水で力が抜けていくが、溺れてるわけじゃないから不安はない。
「あ、ずりーぞチョッパー!」
海の中って気持ちいいんだなぁ。初めての感覚に頬を緩ませた。



クリケットさんとチョッパーは×というより+で。チョッパーすきー。

モラリスト×エキスパート(ゾロサン)


 耳障りな音が弧を描いた。ステンレスのボウルが床に落ち、泡立て器だのゴムベラだのが後を追うように落ちていく。しかし意識はその音よりも、腕を掴む熱い手に持っていかれた。調理台に押しつけられた上体は圧迫感を訴える。粗暴な扱いに頭の中が白くなり、急速な展開に体がついていかなかった。背中を押さえつける手に抗い、振り返ることの出来ない体を揺さぶる。
「てめェ、ゾロっ」
 衝撃が、呼吸を困難にさせていた。思いもしなかったぜえぜえとした己の呼吸にサンジは唾を飲み込む。十分な酸素を得られずに繰り返す呼吸は、荒いまま静まることはない。そんなサンジの様子を見てゾロは笑うでもなく、ただ押さえつける力を強めた。
 ――‥どうしてこうなった。
サンジの視線は調理台の下に落ちたボウルと、見事に零れたディップへと向かう。


 サンジはこのホテルの専属シェフで、ゾロはどこかの大学の研究者。学会があるとかで、ここ一週間このホテルに滞在している。小さなホテルではあるが高級感があり、値段も安いわけではないので泊まっているゾロたちも少しは名の知れた大学の人間なのだろうとサンジは思っていた。そして、自慢じゃねェけど、と、毎度必ず前置きをするのだが、サンジはこの世界でも大分名の知れた料理人だ。この小さなホテルが4つ星と言われる理由に、大きく貢献しているほどには。
 二人の出会いは取り立てて珍しいものじゃなく、客と従業員という単純な括り。どこにでもある、客がシェフに賛辞を送るという簡単な一幕にゾロが和食は作れるのかと尋ねたことがきっかけだった。フレンチが有名なホテルのレストランで聞くようなことかと、同行していた教授は呆れた表情をしていたが、サンジは慌てもせずにお夜食が必要でしたらお持ちいたしますと、営業スマイルで微笑んだ。幾分、胡散臭い笑顔だったかと後に反省したが致し方ない。普段男にスマイルなんぞ見せない性格で、しかしそれでも、ホテルの経営者である可愛らしい友人に、うちのホテルの評判落とすような対応だけはしちゃダメよと、数日前に釘を刺されたばかりだった。それで、和食というか、夜食にぴったりのおにぎりとお茶を部屋まで運んだらいたく気に入られてしまって、同年代ということもあってかサンジもゾロを邪険にはしなかったというのが二人の"知り合い"の始まりである。
 客と従業員の一線は表面上引き、それでも馴れ合った友人のように過ごす数日はお互い思ったよりも心地のいい空気だったはずだ。少なくとも、サンジはそう思っていた。だから今夜も自分の聖域であるキッチンにゾロを招いてやり、学会でのスピーチが成功した祝いに年代物のワインを開けてやったのに。フランスパンにつけようと作ったグアカモーレが悲惨な状態で床に飛び散っている現状は、サンジの心をひどく沈ませている。怒るより先に、理由を知りたい。
 ゾロはゾロで、はっきりと、自分の置かれた現状を把握していた。どうしてこんな行動を取ったのかも承知済みだった。2杯ほどのワインで酔うような柔な体じゃない。同じだけ飲んで、普段より饒舌になっていたサンジの体のことまではわからないが。そう、わからないのが問題だった。たった一週間でこの男のすべてがわかったわけではない。それが一連の行動を起こさせる原因となった。


「おいゾロっ、離せ!」
 打ち付けた箇所の痛みが引いたのか、サンジは容赦なく暴れだす。しかしゾロはそれを易々と封じ、嫌なこったと耳元で囁いた。返された言葉に奥歯を鳴らし、てめェふざけんのもいい加減にしろと低く唸る。いまだにサンジの中には、どうしてこうなったという思いがぐるぐると回っていた。学会の最終日を無事終え、明日ここを経つ客と言う名の友人への簡単な餞をと考えただけだった。なにが気に入らなかったのか、話の途中からこんな事態に陥っている。とりあえず、きつく掴まれている腕を離して欲しい。
「こんな乱暴な扱いされる覚えねェぞ!何のつもりだっ…」
「うるせェ」
 会話にならないやり取りに、サンジの怒りも徐々に露になる。黙ってこんなことされてるほどいい子ではない。たとえ、客と従業員という立場であっても。しかし如何せんやつの体が密着して、それと、ひどく強い力で押さえつけられていて身動きが取れないという事実にも直面している。
「クソ、てめェ、こんなことしていいのか、おい、人としてっ」
「あァ?」
モラリストなんだろ、てめェ」
 サンジが思い出したのは、ゾロが研究している分野のことだった。一緒にいる教授がよくモラリストという言葉を口にして、一度、ゾロのこともそう言っていたのを聞いたことがある。今回の学会は人間行動学的に権威のある学会でなんたら、それをゾロがなんたら、彼はモラリストとしてのなんたら、なんたらの部分が多い事は割愛。女性以外の言葉なんて、サンジもそう細かくは覚えていない。
道徳心の欠片もねェ行動しやがって!モラリストが聞いて呆れるぜ」
 モラリストと言うからには、道徳だのモラルだの、人としてこうあるべき良い行いとか、ああもうクソ難しい面倒なことは置いといて、とりあえずこーゆーいきなり乱暴するだとか、人道から外れた行いをするのはいけないんじゃないかとサンジは言いたいらしい。しかしゾロはそんなサンジの言葉を鼻で笑った。
「バカだなてめェ」
「あァ?」
モラリストってなァその分野を研究してる人間のことを言うんだよ。世間一般の道徳ってやつを研究すんのがおれの仕事だ」
 モラリストは道徳家じゃねェんだよ、耳に落ちる声、吐息までかかる近すぎる距離でサンジの熱は上がる。肩越しに振り返り睨み付ければ、やつの口元は笑っていた。声にならない音が喉奥から漏れる。腕は強く握られたまま、背中を押さえつけていた方のゾロの手が衣服を掻き分けてシャツの中に侵入した。身を捩っても僅かな抵抗にしかならず、その手は奥へ進む。
「非道徳的な行いも躊躇わねェ」
 言葉が切れると同時に、サンジの首筋に生ぬるい感触が走った。





朝のついーとから派生した、某大広告モラリスト×エキスパートで妄想。たぶん、サンジを全部知りたいのにお別れ会みたいなことされて悔しかったんだと思うのゾロ。

ついったお題(ゾロサン)

ASかZSで学園パロで攻めの片思いメインな作品を8時間以内に2RTされたら書(描)きましょう。 http://shindanmaker.com/43742
エーシュラ・ゾサとして、攻めの片想いってどっちがいいんだろ

「おい、とんでけが方言だって知ってたか?」
「あ?」
 二年ぶりの再会の、第一声がこれってなァどうなんだ。ゾロの眉間の渓谷は深く刻まれるばかり。
原因を作った張本人はなんの気なしの表情でポケットから煙草を出した。自分で買ったのか、どっかの女にもらったのか、しっかりと手入れされてるらしいシルバーのジッポが鈍い光を見せる。
「言うだろ、とんでけって。急に雨降ったとして、濡れちまうから早くとんでけって」
 煙草を口にくわえたサンジを見ながら、まァ言うなとだけゾロは答えた。10放って1しか返らないそれにもサンジは不満がないらしく、だろ?と腕組みをして、こないだ合コンでよーなんて、さして興味のない話をはじめる。自分勝手なサンジに腹立ちはしないが、連絡すら取っていなかった相手との久しぶりの再会でこれはなんだと、呼び出しをかけたサンジの意図など掴めるはずもなくゾロは合コン話を聞き流した。
「聞いてんのかてめェ」
「聞いてねーよ。おれだって暇じゃねェんだ。要件を言え」
 そう不機嫌そうにゾロが言えば、娯楽を知らないマリモめと口を尖らせたサンジは悪態をつく。アヒルのようなそれは昔からの癖だ。表情を歪め不服そうに唇を突き出してガキのように拗ねる。変わってねェなとゾロは思うが、実際二年なんて短い期間じゃ人はそんなに変わらない。最後に会ったのが小学生だ中学生だっていうならまだしも、大学に入りたての頃に一度会っている。
「てめェは本当にあれだな、変わんねェな。その面白味のねェ不機嫌なツラ」
 互いに同じようなことを思っていたらしい。しかしサンジの場合思うだけに留まらず、すぐに言葉に出る。そして案の定、昔と変わらず言葉の選択は辛辣だ。その辛辣な言葉の中に、情を隠した穏やかな響きが含まれているところも変わらない。だが今のゾロには、それが幾分居心地が悪く感じる。そんな感情の理由はいくつもあるわけじゃなく、結論として言えば、二年会わなくても癖だのなんだのをすぐに思い出せるような、そういう意味での感情だ。
 二年前に気の迷いで片付けたあれはいまだに己の中で燻っているらしい。重たい焦燥が腹の中でぐるぐると回るのを感じ、ゾロは覚悟を決めた。諦めにも似た、青臭い感情だった。




短くなってしまう上に、大学生は学園パロに入るのかということがネック。

心意気だけでマフィア(ゾロサン)

グラナダの詩



「行きてェなァ」
 蚊の鳴くような細い声の後、ベッドが軋んだ。古めかしいその音に目を向ければ、ベッドの上に仰向けで寝転ぶサンジが映る。咥え煙草の灰はひどく危なっかしく、針の先ほどの緋色が鈍色を増やしていく様をゾロは眉を顰めて見た。そんなゾロの視線はお構いなしでサンジは同じことをもう一度呟く。行きてェなァと、先ほどよりも声を大にして。
「どこへ」
 聞いて欲しそうにしていた、だから聞く。この男に対する行動の端々が日を追うごとに甘くなっている。そんなことを思いながら、気づかれないように小さなため息を零した。しかしサンジはそれを目ざとく見つけ、まだ言ってもねェのにそれかと、知りもしないため息の理由に憤慨したらしい。だがゾロの方も特に答えることはせず、ぼんやりと煙草の煙に目を走らせる。
「聞いてんのか」
「だからどこへだっつってんだろ」
 不条理な怒りを露にするサンジに、ゾロの僅かばかり眉根に拵えた渓谷が深まった。サンジはサンジで、その、まったく思い違いの理由で歪んだゾロの表情を見て同じように顔を歪める。そして不機嫌な感情を隠すことなく、グラナダ、やけっぱちに言った。
「あァ?」
グラナダ。コンクリートとなんかキスできるかよ」
「なに言ってんだ、てめェは」
「アンダルシア知らねェのかてめェ」
 まったく噛み合わないやり取りなんていつものことで、喧嘩腰もいつものことだ。大して広くもない安っぽい部屋は二人の距離をそう取ってはいない。手を伸ばせばすぐに届く。毎度のような殺し合いがすぐにできる距離。だけどそれをしないのは、その距離が理由でもある。二人きりでこんな距離滅多にあることじゃない。そのつもりで、サンジ風に言うなら "このクソ安い古びたモーテル" に二人で入ったのだから。
 ゾロは仰向けのサンジへ近づき、きんきらの髪を見下ろした。視線を煙草の鈍色へ固定したまま、だからあの葬儀屋みてェなのかぶってんのかとサンジに言う。
「‥‥知ってんのかよ、てめェが」
 含みのあるゾロの返答に幾分驚きを見せたサンジだったが、葬儀屋なんて単語に気分を害したのか、少し間を空けたあと拗ねたような声音でボルサリーノだと返した。それでも、コルトは金庫の中だとゾロが言ってやれば、不機嫌に歪んだ表情は簡単に和らぐ。不機嫌にさせるのも機嫌を取るのも大分慣れてきた。躊躇いもなくころころと変わるサンジの表情にゾロはただ安堵し、同時に息苦しくもなる。
 ゾロの無骨な指先がサンジの髪に届くまで、こんなにも時間を要するようになったのは遠い過去ではない。愉しむことを覚えた二人に、子どものような性急さは影を潜めた。それは決してマイナスではなくて、それでもプラスと言えるほど大人になりきってはいない。ただ、こうしている時間さえ愉しむことができるようになったのは、馴れ合いだとか簡単なことじゃなくて、と、だいたいそこまで考えたりすると二人ともその先はどうでもよくなる。頭で考えるのは性に合わないし、そこまで考えが進んでるときにはすでに指先がどちらかに触れているのだから。
 お互い分かっていることだ。時間は無限ではない。少なくとも、今は。
「スタッガーリーか」
「バカ言え、シャーク団だろ」
 煙草の灰は、まだ落ちない。





初マフィア。マフィアというとマーシーのアンダルシアに憧れてしか出てこないのでこんな感じになるです。ブレイカーズもブルハもどっちも好きです。それにしてもゾロシアとサンジーノという名前では書けない(恥ずかしくて笑っちゃう)事実に直面しました。くそくそっ!

ついったお題(ゾロサン)

ゾロサンには『攻めが空腹で、受けが泣く、バトル要素有りな話、アイスクリームを登場させるべし』と言うお題が出されました http://shindanmaker.com/10416
サンジを泣かせるのはゾロだけということですか

 ポケットの中でちゃりりと小銭が跳ねる。50円玉がひとつと、5円玉がふたつ。ゾロの目指す先は学校のすぐ脇にある駄菓子屋だ。もう夏も終わって秋、じきに冬がくる。冬がくると季節限定販売のアイスクリームは店頭から姿を消す。甘いものに興味のないゾロが、唯一剣道帰りの楽しみにしていたアイスクリームは季節限定だった。
 いつもより慌しく、ばたばたと息せき切って店内に入ってくるゾロを初老の女性店主は穏やかに見つめる。アイスケースを覗き込み、お目当てのパッケージを見つけた。最後のいっこ。ケースを開けて手を突っ込むと、ひんやりとした冷気が腕を包む。
「もうそれが最後だよ。はい、60円」
「おう」
 彼女はゾロが何を買いにきたのかわかっていたようで、商品を見る前に値段を告げた。ゾロはケースのふたをがらがらと閉め、店主に金を渡す。50円玉ひとつ、5円玉ふたつ。彼女の手に落ちたと同時に、後ろから声がした。
「だとよ、チビナス」
 それは落ち着いた大人の声で、ゾロが振り向くと奇妙な髭を持つ男だった。隣にはゾロと同い年くらいの男の子がいる。ゾロの手元のアイスクリームを見ていた。どうやらこのアイス目当てでここへ来たらしい。きんきらのまあるい頭をした子どもの目には薄っすら涙が溜まっている。けれどアイスを手に入れたゾロにはそんなことまったく関係ないのだ。お金だって払ったし、なにより先に手にしたのは自分なのだから。
「あぁ、ゼフさん、いらっしゃい」
 大人が話をはじめたところでゾロは店から出た。店の横にある大きな石段に腰かけ、夏季限定と書かれてるパッケージを見る。ゾロにはまだ漢字が難しくて夏(なつ)しか読めないのだが、くいなが夏にしか食べられないのよと教えてくれたから、なくなる前にいっぱい食べようと思っていた。先ほどの店主の言葉を思い出せば、これが最後なのかと感慨深い気持ちになる。
「おい、おまえっ」
 そんなことをうだうだと考えていたゾロの目の前に、先ほどのきんきらの子どもが現れた。
「それ、ゆずってくれ」
 きんきらの子どもは遠慮無しに言う。なに言ってんだこいつと、ゾロは不機嫌な表情を作った。ゾロの友だちや同級生は、ゾロが不機嫌そうな顔になると大抵気圧されるものだったが、きんきらの子どもはどうしてもアイスが欲しいのかそんなの気にならない様子だ。
「おれ、それすきなんだ」
「おれだってすきだ。おれがさきに買ったのに、なんでてめェにやらなきゃなんねーんだ」
 返された正論に、きんきらの子どもはうっと口を尖らせる。だって、と、下唇を噛んで悔しそうな表情。黙ったまま、またしても目に涙が溜まっていった。
「なんだよ、泣いてもやらねェぞ」
 こっちはなにも悪くないのに、その涙を見ていたらひどく落ち着かない気分になった。だからと言ってはなんだが、誤魔化すための怒りは相手に向かう。
「泣けばすむと思ってんのか。女といっしょだな、おまえ」
 自分にしてはこのうえなく辛らつな言葉で、同時にしまったとも思った。泣きそうな相手にこんな風に言ったら本当に泣いて面倒くさいことになるんじゃないかと、こんなことならさっさと家に持って帰ってしまえばよかったと思った。子どもらしからぬ舌打ちをして、ゾロは相手の出方を伺う。しかし憂慮していた"泣かれる"行為には至らず、それどころかこちらを睨みつける目があった。
「それは、女の子へのボウトクだ!」
「あ?」
 ピッと指差し、ゾロには分からない単語を向ける。
「おれだって、わかってる、そのアイスはおまえのもんだって。だから、おれがわがまま言ってるの、わかってるんだ。でも、女の子はおれみたいなずるいことも、わがままもしないし、してもかわいいからいいんだ」
 威勢が良かったのは最初だけで、段々と語尾が強みを失っていく。
 こいつはこいつで、自分の言ってることがわがままなんだという自覚はあったのだ。そう思うと、ボウトクだのなんだの意味のわからないことを言ってても、ただ自分と同じでこのアイスが好きなだけなんだという単純なことに気づく。
「じじいのてつだいして、やっと、30円もらったのに‥」
 ちゃりりと音を立て、右のポケットから10円玉を6枚。小さな手の平に乗せられたそれを、ゾロは覗き見ることはなかった。けれど自分と同じだということはもうわかっていたから、ただ少しタッチの差があっただけだとわかっていたから、アイスの封を切って立ち上がる。そしてきんきらのそばまで行くと、おまえもこれすきなんだなと仏頂面で言った。きんきらは一瞬キョトンとゾロを見て、浮かんだ涙をぐしぐしと袖口で拭ってから何度も何度も頷く。
「もう、これさいごだってよ」
「さっき聞いた。だからおれ、どうしても食いたくて」
「ちょっとだけだぞ」
「え」
 もう一度ゾロは、ちょっとだけだぞと繰り返した。むき出しになったアイスをきんきらに差し出す。きんきらは、ぽかんと口を開けたまま、あーだの、うーだのと言葉にならない声を発してゾロを見た。視線の先がアイスではなく自分だと気づいたゾロは首をかしげる
「いらねェのか」
「い、いるっ」
 しかしそれでもきんきらはそれを食べることはせず、居心地の悪い表情で口を尖らせていた。カチリとゾロと視線を合わせると、あひるのようなその口を開いて、ごめんなと小さく言う。それに対してどうしたもんかと、ゾロは駄菓子屋の入り口を見て、きんきらの保護者がまだ店内にいるのを確認してから腕を掴んだ。そのまま座っていた石段の方へ引っ張ると、アイスを一口食べてきんきらに渡す。とすんと腰を下ろし、相手が座るのを待った。きんきらは倣うように腰を下ろし、受け取ったアイスを一口食べてからゾロに返す。
「おまえ、なんてゆーの?」
「ゾロ」
「ゾロかー」
 足をぶらぶらと揺らし、変な名前だなーと失礼なこと言いながら、それでも先ほどまで見えていた泣き顔はもうなくなっていた。
「おれサンジってんだ。ありがとな、ゾロ」
 それどころかすごく嬉しそうな笑顔を見せるもんだから、ゾロはアイスを全部渡したいような、ちょっと奇妙な気持ちになる。けれどそんなに急に手のひら返すようなやり方も癪だから、おまえ見たことねェけど何年生だよと、とりあえず無難な話からはじめた。







バトル要素が小さな小競り合いということで勘弁して下さい。あ、あとゾロが空腹だったのかどうかはごにょごにょ‥。小さい子を書くのが好きみたいです。

ついったお題身内ネタ


  全部で10このお題で遊んだけど、以下3つは身内ネタすぎるのでこっちに。


・・・分以内に・・・RTされたら、てじシュラが廃墟でイチャイチャする、ほのぼのな作品をかいてみましょう! http://shindanmaker.com/44825


この際ゾロでもいいから来てくんねェかな、
迷子になった森の奥、蔦の絡まる不気味な家屋の縁側でシュライヤは思う。
「あなた、ご飯とお風呂がないからあたしにする?」
冗談めいてる浮かれた声に、罵倒すら出てこない。
無視という空気の中、相手にしろよと肩を抱く男相手に出たのは、ため息だけだった。


フォロワーが全員いなくなる前に・・・RTされたら、てじチャラがプールで心配のあまり激怒する/される、至って健全な作品をかいてみましょう! http://shindanmaker.com/44825


塩素の匂いが鼻をつく。
「お前本当にバカだな。そのままくたばれ」
「あー、ビックリビックリ」
足が攣って溺れた男に、反省の色は一切なし。
「準備運動しろっつったろ」
「心配した?おれ愛されてる?」
「殺す」
殴りたい気持ちに駆られながらも、いらぬ憂慮をしたこっちに身にもなれと、ため息が落ちた。


・・・時間以内に・・・RTされたら、チャラシュラが倉庫で押し倒す/押し倒される、一方通行な作品をかいてみましょう! http://shindanmaker.com/44825


コンクリートは鈍い衝撃をシュライヤに与える。
背中に走った痛みに眉根を顰め、反転した天地に息を詰まらせた。
「なにしやがる‥」
「この体勢でわかんねーのか」
「いや、おまえサンジが、」
「黙れ」
ひどく苦しそうなその声音に、一瞬にして怒りが消える。
シュライヤは目の前の頭を、軽く撫でてやった。



めんどくさい手品師のお話がふたつと、よくよく考えたチャランゴさんの原点でした。